第41回日本呼吸器外科学会学術集会
会長 千田 雅之
獨協医科大学医学部呼吸器外科学講座 主任教授 |
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この度、2024年5月31日、6月1日の日程で、第41回日本呼吸器外科学会学術集会を開催させていただくことになり大変光栄に存じております。この様な機会をいただき、会員の皆様に心より感謝申し上げます。
本学会のテーマは「境界領域をマスターする(Master the Boundaries)」としました。現在の呼吸器外科の対象疾患の主たるターゲットは肺がんではありますが、呼吸器外科が携わるべき呼吸器疾患は多岐にわたります。頚部気管や喉頭の手術は頭頸部外科とオーバーラップしますし、心臓、大血管浸潤の肺がんでは心臓外科領域と重なります。骨軟部腫瘍や胚細胞性腫瘍の治療においては、整形外科、泌尿器科、腫瘍内科との連携が必要となります。胸部外傷における救命のための緊急手術、さらに、呼吸器内科では治療困難な炎症性疾患への対応も必要です。たまにしか出会わない疾患であればこそ、その知識なしには適切な治療方針が立てられません。呼吸器外科医が対応しないといけない疾患は非常に幅広いということを再認識していただければと思います。また境界には日本語では前線(Frontier)という意味を含んできます。肺がん外科の今を見つめる企画も用意いたします。
本来であれば本学術集会は、獨協医科大学のある栃木県で開催したいところですが、諸般の事情により軽井沢で開催することとなりました。交通の便は宇都宮と同様に新幹線で東京から1時間ほどですので、宇都宮開催と比べさほど不便を強いることはないと思っております。それでは、5月の軽井沢の清々しい空気の中で、学術討論に参加し、呼吸器外科の未来を語り合いましょう。